トランスヒューマン

概要

 トランスヒューマンは2086年、SBT社から民間向けの労働力として発表された遺伝子操作技術及び、その技術によって生み出された生物です。人間の遺伝子をベースに身体能力、素質、容姿を調整されており、またその証として獣のような耳と尾、それに準ずる明らかに人間とはかけ離れた特徴を追加する措置が義務付けられています。人間より優れた能力を持ち、命令に忠実なトランスヒューマンは、W.O.Lの社会で急速に普及しました。

 しかし、これは表向きの話で、真の目的は優秀な兵士である軍事用トランスヒューマンの生産を民間に委ねるためでした。2080年から2084年まで続いた第三次世界大戦で、極秘裏に投入された軍事用トランスヒューマンによる戦果は目覚しく、これが当時の亜細亜連邦国総理大臣の目に留まった事がきっかけで、民間での大量生産が計画されました。

 2090年、亜細亜連邦国首相の独裁に反抗する組織「W.O.L」によって首相が倒されると、新たな統治組織となったW.O.Lにより、トランスヒューマンに人権が与えられました。  これに難色を示したのが、旧亜細亜連邦国との戦いで軍事用トランスヒューマンによって多大なる被害を受けた北大西洋連合の国々でした。はじめはトランスヒューマンの人権に関する国際条約への調印を見送る程度でしたが、 2095年の「神野の蜂起事件」をきっかけにトランスヒューマンの弾圧を開始します。

 この事により、トランスヒューマンを擁護するW.O.Lをはじめとする諸国と北大西洋連合の対立が表立ち、現在では一触即発の状態になっています。

トランスヒューマンのモデル

  • フェリス
  • カニス
  • リュコス
  • サウルス

民生用トランスヒューマン

 亜細亜連邦国では、軍事用トランスヒューマン量産の隠れ蓑として民生用トランスヒューマンが発表されました。 表向きは労働力、愛玩用とされていたため、一目見た限りでは戦闘とは縁のなさそうな容姿をしています。

 21世紀末当時の流行により、中性的な美形として容姿操作を受けて生まれる事が多かったため、 トランスヒューマン全体に生物学的な男女による容姿の差が極めて小さい特徴が見られます。

 当初の計画では、民間で十分な数のトランスヒューマンが兵役に耐え得るまでに成長した段階で、 トランスヒューマン徴兵令を施行する予定でした。 しかし、多くのトランスヒューマンが子供であるうちにW.O.Lによる政権交代が実現したため、 軍事用トランスヒューマンの隠れ蓑としての生産計画は成果を見ないうちに終了する事になりました。