――ナギッハアアアアキィーンホクトウジョウダンジンケンシッショーケーオーイノチハナゲステルモノ――
「よっしゃ、勝った!」
 三本先取の五試合目、鳴俊の紙忍者から勝利をもぎ取った俺は拳を突き上げる。接戦の末の勝利は清清しいねー。

「うーん、練習したんだけど、最後は持ってかれちゃったか」
 鳴俊はコントローラを置いて、立て膝だった姿勢をあひる座りに崩した。うん、熱くなると立て膝になったり、レースゲームでコントローラを傾けたりするよね。素に戻った後がやたらと女の子っぽいのが気になるけど。

 こうなってしまうと、一旦ゲームも休憩だ。そんな気配を察したのか、キッチンでテレビを見ていた鳴俊のお母さんが、いつの間にか俺たちの後ろに立っていた。
「終わった?長くやってるとゲームでも疲れるからね、ほらジュースでも飲みなよ」
 両手にグラスに注がれたコーラを持っているのは、どうやら俺たち二人の分らしい。

「お、ありがとうかがみん!」
「おや、どの口が友達の親をあだ名で呼ぶのかな?」
 ちょっと眼の横をぴくりとさせたかがみんは、俺の方のコーラだけ引っ込めた。

「お母さん、そう呼ぶと怒るよー。ヨシュアくんも自分のあだ名嫌いでしょ」
「ごめん。わかっちゃいるけど、家でしょっちゅう聞いてるからなかなか止められないんだわ」
「あのバカのせいね。よし、後でとっちめるわ」
 やべ、オヤジの墓穴を掘ってしまったようだ。……まあ、オヤジの行いも悪い。因果応報だと思っておこう。

 このかがみんという女性は、鳴俊のお母さんだ。オヤジの仕事仲間で、一緒にバウンティハンターなんて仕事をやっている。そのオヤジがあだ名でいつもそう呼ぶものだから、本名の「各務紀子」から、苗字部分だけ取ってかがみんという呼び名で覚えてしまった。

 彼女は黒髪のショートヘアで、風貌はいかにも日本人って感じの日本人だ。その上仕事柄か、背が高くて強そうな、戦う女性って言葉が似合う体格。銀髪狐っ子で華奢っぽい鳴俊とは似ても似つかないが、まあそれは当然、かがみんは人間だからね。うちのオヤジと俺の関係と一緒だ。学校に通う友達の家族は、大体そんな感じだなー。

 そんなわけで明日の仕事でのオヤジの無事を祈りつつ、無事にもらえたコーラを味わう。
「やっぱアークはいいよなー、一世代前の格ゲーじゃ最高じゃね?」
「うん、一撃必殺があるのは気が抜けないにもほどがあるけどねー」
「まさに世紀末」
 等と雑談しつつ、グラス一杯のコーラはすぐに飲み終わってしまった。

「じゃあ、もう一戦やろうか。今度は俺氷使いね」
「そのキャラが使ってるの、雷じゃなかったっけ?」
「青いからぱっと見てわからないんだよなー」
「アークにはどっちも居るしねー……ん、ありゃ」
 コントローラーを手にした鳴俊が、あひる座りにした足を微妙に揺らしている。
「どうしたー?」
「んー、えーと」
 また漏らしたかな、と思ったが、鳴俊はそうならそうと言うはずだ。でも、あの様子じゃおむつを気にしてるようだしなー。

「鳴俊、やっちゃった?」
 かがみんがやってきて、鳴俊の横にしゃがみ込む。
「うん、でもね。ヨシュアくんがいる時は初めてで」
「ふーん。どれどれ」
 かがみんは当然みたいに、突然右手を鳴俊のおむつの前に滑り込ませた。ちょっと驚いたのか、鳴俊の両耳がびくっと直立したぞ。俺だってチンコ触られるには心の準備がいるわ。

「あー、これか。ま、いいじゃないの?いつも通りで」
「うん……変じゃないよね?」
「大丈夫だって、ほらおむつ替えるよ」
「うん。ヨシュア君、ちょっと対戦は待ってね」
 やっぱりおむつ換えか。まあ、いつもの事だから、別に気にならない。
「はいよー」
 俺の返事を聞いた二人は、ソファーの上でおむつ換えの準備を始めた。

「それじゃ脱がすよ」
「う、うん」
 ソファーに寝ころがってもまだ落ち着かない鳴俊を気遣う様子もなく、かがみんはバリバリと紙おむつのテープを外した。

「うぁ……」
 鳴俊の弱々しい声が漏れる。見慣れたはずの鳴俊のチンコが見慣れぬ形体を取っておられる!?
「このままじゃ当てにくいから、さっさと出しちゃおうねー」

 固まる俺だけ世界から取り残されたみたいに、かがみんは気にせずその先を続けている。まず鳴俊の服を大きくまくり上げ、下半身から胸までが全て裸になる。間を置かずに女の人の細くて長い手が、鳴俊の小さいながらもすっかり硬くなったチンコをやさしく握った。

「んゅぅっ……」
 鳴俊は子猫みたいな鳴き声を出して、ぴくりと震える。狐耳なのに。
「まだ慣れてないね?まあ、すぐ済ませるから」
「にゃっ、いやぁ……恥ずかっ、し……あぅ」
 かがみんがチンコを握る手を動かすたびに、鳴俊の顔は赤くなり、呼吸は荒くなって行く。

 な、何だか俺はすごい光景を目撃してるのか?可愛い女の子?が、スカートの中に手を入れられてお母さんにチンコ擦られてるなんて、こんな画がこの世界に存在するものなのか
「ぅんっ、あっ、出ちゃう、よしゅっ、ぁにゃぁぁっ!」
 最後に短く叫びのような鳴き声をして、鳴俊は自分のお腹から胸にかけて、白い液体をびゅるびゅると放った。

 かがみんが手を離しても、チンコは勝手にぴくぴくと動きながら、最後の一滴まで惜しむかのように精液を吐き出し続けている。
「はぁ、はぁ……ぴゅっぴゅってしちゃった……」
 黙って最後まで見ちゃったけども。心臓がドキドキしてるみたいで、なんだか変な感覚だ。三馬鹿のビデオや親父がしてる様子を見ててもなんとも無かったのに、もしかしてこれが「エロい」って感覚なのか。それより、今よりずっと大人にならないと、チンコは硬くならないと思ってたからショックだ。だって、小5だよ?大人のしるしだと思っていたものが、こんな早くから?それに、俺だってまだこんなんになった事無いし。

「ヨシュアくん、学校で鳴俊のおむつ換えてるんでしょ?」
 鳴俊のお腹をウェットティッシュで拭きながら、かがみんが話しかけてきた。
「ん、ああ。頼まれてるからな」
 なんか声が震えてうまく返事できなかった。そんな事は気にしないかのようにかがみんが続ける。
「鳴俊、これから学校でもこうなっちゃうかも知れないから、その時は今したみたいな事してやってくれる?」
「えっ!?」
「この子、自分じゃイけないみたいでさ。ボッキしたままだとおむつ替えしづらいしねー」
「あ、ああ……いいけど」
 おむつ換えに一手間増えるくらいなら、別に何も問題は無い。でも、鳴俊は白いの出した後にすっごいドキドキする顔して、そんなの見たらエロい気分になっちまいそうだ。

「あ、手でイかせるのが難しかったら口でなめてやった方が簡単よ?」
 思いもしない提案に鳴俊が驚いたような顔をする。俺も顔真っ赤だよ。
「そ、それは恥ずかしい……」
「手でなんとかしてみるわ……」

 結局終始ドキドキしっぱなしで、初めての「恥ずかしい」おむつ換えがやっと終わった。10分くらいの事なのに、3時間ぐらい凝視してた気がするわこれ。

 再開した格ゲーではどうも手元が狂いがちになったけど、鳴俊も似たような状態だったんで、結局勝敗はいつも通りの割合だった。
「それじゃ、またなー」
「うん、楽しかったよ」
 帰る時にはすこし落ち着いた。まあ、衝撃的な体験だけど、なんか悪い気はしないんだよな。

 明日は土曜日、鳴俊とは休み中の約束が無いから、次に合うのは月曜日か。俺の家も同じアパートだから、帰り道はとても短い。帰りの挨拶をしてから3分も経たないうちに、自宅の玄関にたどり着いた。