受付に据え付けられたディスプレイには、格子状に区切られて客を待つ面々が映し出されていた。
琥珀色のトーンに統一された画面から一つを選び、金を払う。「17番宮」とプレートを掲げられたエアロックに入り、呼吸チューブを咥えると、流れ込む羊水がエアロックを満たした。今私は、巨大な胎内に居るのだ。
エアロックが開くと、受付で選んだ子が私を迎えてくれた。産まれてさえいれば、入学する頃だろうか……しかし、この子に年齢は無い。この羊水で満たされた部屋、拡大された子宮から一度も出たことがないこの子は、法律上はまだ胎児でしかない。背は1メートルを超えても、臍の緒はついたままだ。